はじめに

はじめに ●TITAN  ●音の世界 ●オンケン・スピーカーユニットのコンセプト

コンセプト

4 VOIES

 生の音楽と再生音楽との違いは多々ありますが、再生音楽は音量を任意に上げ下げ出来る点にあると思います。四管編成の大オーケストラを考えて見ますと、100人以上でフォルテシモを演奏しますと、その音圧は100デシベルを越える瞬間ピークでは120デシベルに達するとされ圧倒的な音響エネルギーを発生致します。
 最強音と最弱音のダイナミックレンジは、実に80デシベルにも及びます。しかしレコードや、CDなどのDレンジは圧縮されておりますが、それでもフルVRでは大変です。生の音はさほど大きな音でも無いのに、浸透性があって遠くまで届きます。 同じレベルの音でも再生音は浸透力がありません。この点も解決したい問題でした。

 先に述べました様に、オーディオシステムでは音楽のピアニッシモのレベルも落ちてしまいます。 ピアニッシモは音楽の要です.この美しさを損ねたら音楽は音楽に成りません、生のピアニッシモでも弱々しいのにレベルを落とした、微弱なピアニッシモをきちんと再生するスピーカユニットを、何としても完成させる必要がありました。

 これまでのドライバーユニットは、業務主眼で設計され大音量でハッキリする音を目標としている為、振動版も厚く、エッジは有る事は在りますが、 何しろ振動版を指で押しても引いても動きません、それどころか振動版が凹んでしまう程硬いのです。
4 VOIES  こういうタイプのユニットは、一見パワフルに聴こえますが、綿の様な、雰囲気感、と言ったピアニッシモの再生では、無感情、無表現、或いは微少レベルの信号は再生できない場合も有って、両立の難しさを感じます。
 又音像についても、深み、奥行感、音のしなやかさ、等に欠けます。音の動きも硬く、柔軟性及自然感で難を感じます。 従って此のタイプのユニットは、音量を絞った時にはピアニッシモが、気味なく、無機的で淋しく、音量をあげればうるさく耳を圧します。

 これらは振動系が固く固定され動かない為、分割振動や、振動版その物の金属音が信号音と合成される為に固有の音質を持つ事に成る訳です。

 ピアノの一音を指でポーンと叩くと、ハンマーが弦を叩いて強音を発し響板を響かせながら、やがて静かに減衰して消えいる様に鳴りやみます。 此の事からも分かる様に音のフォルテシモとピアニッシモは常に一音の中にあって、一体の物であります。 つまりオーケストラのフォルテシモとピアニッシモに例を見ずともです。

 音楽は、どんなに明るく楽しい音楽でも、その音色には哀愁感や衰調と言った哀しみが含まれております。 楽器の音色そのものが、そういう成分を含んでいる事も有りますが、生まれては消える音の消際の、微妙で微弱な音色の儚い哀しさを感じるからかもしれません。

 以上の様な観点を踏まえて、オンケン・ドライバーは振動系の分割振動を抑えて、全帯域ピストン振動で発音する為に、 振動系をハイコンプライアンスとし、強弱どの様な信号でも追従出来る様に致しました。